info@yogahalo.net

コーヒーメーカークロニクル

バンクーバー生まれのコーヒーのお店、JJ Beansのコーヒーのダークローストを最近飲んでいる。家のコーヒーメーカーでいれて。ドリップコーヒーメーカーなので、お水をいれると沸騰したお湯がでてきて、ドリップコーヒーができるっていうシンプルなタイプだけど、もう考えてみたら10年くらい使っている。

資格を取って初めて就職して茨城の病院の寮に入ったときに持っていたんだもの。
カナダに来るときは、手荷物に入れて大事に持ってきた。

誰かの結婚式の引き出物でもらったんじゃなかったっけ。実家でいつもは日曜日にお母さんが、やかんに沸かしたお湯をゆっくり注ぎながら作ってくれていたというのに、これをもらってからは何度かこれでコーヒー淹れたんじゃなかったっけ。

茨城の寮の部屋は、就職前に聞いていた話とは違った。
先輩の話では、近くのアパートがわりあてられて、家賃の半分くらいを会社が払っているとのことだった。

でも、3月26日、案内された部屋は6畳一間。部屋の入り口の扉はガラガラする引き戸。え?

洗面所、トイレ、風呂、食堂、洗濯機は共同。家賃は確か2万円くらいじゃなかったっけ。食事は基本的に朝食と夕食が支給されて、月の終わりには、次の月のカレンダーみたいのが貼り出されて、食事が要る日と要らない日にチェックするようになっていた。あんまり「要らない」日が続くと、寮母さんからチェックが入る。たまには寮で食べてください、みたいな手紙が来るらしい。
そして、なんと朝、寮の住人が出勤した後、火の元を確認するという名目で、寮母さんが部屋の見回りに来る。

ある日、TSUTAYAで借りてきたCDをダビングして、終わらなかったからそのままにして出勤した。返却日はその日だったので、帰宅してすぐCDは返却に。後日、ダビングしたMDを聞いていたらなんと最後の曲が途中で切れている。なんでだろう、うまくいかなかったんだ、って思っていたけどある日ふと気がついた。そういえば、あの日帰ったらステレオの電源が切れていた。ミステリードラマみたいにその日の様子がありありと思い出される。火サス。

「寮母さん・・・」

出勤後の見回りに来た寮母さんが、スイッチが入って音楽が流れたままのステレオの電源を切ったんだ。なんともいえない無力感。

こんな共同生活、初めてで、最初はどうなることかと思ったけど、意外となんとかなった。
いやならなかったのか。2年目には近くのレオパレスのアパートに同僚何人かと移ったんだ。
確か、先輩たちと院長と事務長にすごく文句を言って、特別に出してもらったんだと思う。

寮も病院も海のすぐそばの丘の上に建っていて、はじめて寮で一人で寝た夜、波の音で何度もおきた。波って一晩中、寄せたりひいたりしてるんだってびっくりしたものだ。中途半端な都会っこ。

いいところだったなあ。
そして大事な大事な友達に出会ったなあ。

朝のコーヒーからこんな話になった。

こうして思い出は時間を経て私の栄養になる。だから今も毎日その種を蒔いている。

(寮を出て引っ越したアパートからの海。)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です