とてもすてきな店を見つけてしまった。
職場の人と行った中華料理屋。
焼肉も定食も酒もつまみもぜんぶある。
昔ながらの古いラーメン屋みたいな店で、入ると掘りごたつの座敷とテーブル席。テーブルは焼肉用だからいろいろ油っぽい。
テレビが店の中に二つ付いていて、おばちゃん、というよりおばあちゃんがリモコンのボタンを目を細めて見て「これ地デジって書いてある??」ってお客さんのお兄さんにやってもらっている。一つのテレビに向かって操作しても、二つのテレビが反応。スイッチ消えてる。
マスターもウェイトレスのヨシエちゃんも背中が丸くてじいちゃん、ばあちゃん。ちなみにヨシエちゃんは75歳、マスターは3歳年下。そして一見夫婦っぽいけど夫婦じゃないって。やっぱりな。そんな気がした。
そんなヨシエちゃんは、「はい、お待たせー」ってビール運んでくる声が聞こえても、まだ5メートルくらい離れた奥にいる。掛け声だけは若い。
でも不思議と注文は間違えない、忘れない。
たべものは全部おいしい。特に餃子がおいしかった。5のつく日は安いらしい。
ヨシエちゃんは餃子を持ってきてくれたけど、「はい‼お待たせ!これがー・・・あ、なんだっけ?」って忘れちゃう。
お客さんが少なかったので、そのうちヨシエちゃんは柿の種とかかりんとうを持ってきて、隣のテーブル席に座って一緒にたべておしゃべりしてる。よくしゃべる。
そのあいだもマスターはまじめに働いて、厨房の奥のほうでちょこまかしてる。
最後におすすめだというタンメンを頼んだらすっごいおいしそう。
そしてヨシエちゃんが取り分けてくれるって言って5人分に取り分けてくれるけど、その間ずっとしゃべってるから、結局取り分け終わるのに11分かかって(動画を撮ってたから!)、スープが麺にしみこむしみこむ。でもおいしかったけどね。
夢のような時間だった。